廃棄物削減と資源循環

カネカでは、限りある資源を有効活用するために3R(※1)活動の取り組みを通して、産業廃棄物発生量の削減と再資源化を推進し、16年連続ゼロエミッション(※2)を達成しています。さらに、国内グループ会社のゼロエミッションにも取り組んでいます。また、新たにカネカグループ全体で再資源化率(※3)を年1%、改善することを目標に掲げ、資源の有効利用についても取り組んでいます。

※1 リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)のこと。

※2 カネカの定義におけるゼロエミッション:最終埋立処分量を廃棄物発生量の0.5%未満にすること。

※3 再資源化率:産業廃棄物発生量に対する再資源化量(再使用、再生利用、熱回収利用された廃棄物の量の合計値)の割合。

産業廃棄物の最終埋立処分量削減と再資源化率の向上

2022年度は、カネカグループの廃棄物発生量が93,092トンとなり、前年度より5,403トン減少しました。これは、生産量減少と生産品種構成に伴う廃棄物発生量の減少と、夜間の石炭使用量の抑制ならびに石炭灰分の減少により、ばいじん発生量が減少したことが主な原因です。
カネカの最終埋立処分量は23.7トン、最終埋立処分率が0.038%となり、ゼロエミッションを達成しました。国内グループ会社 47社の最終埋立処分率は、前年度から埋立量が60トン減少して1.8%となりました。カネカおよび国内グループ会社では、最終埋立処分率は0.37%となり、ゼロエミッション達成となりました。
海外グループ会社16社の最終埋立処分量は4,234トンで、前年度より876トン減少しました。
2022年度のグループ会社を含めたカネカグループの再資源化量は52,888トンで、再資源化率は前年度の56.3%から0.5%向上し、56.8%となりました。

廃棄物発生量

グラフ:廃棄物発生量

最終埋立処分量・最終埋立処分率

グラフ:最終埋立処分量・埋立率

※4 1996年度の最終埋立処分率について、四捨五入の関係で小数点以下2桁目の数値が誤っていたため、修正を行いました。

再資源化量

グラフ:廃棄物発生量・再資源化量

カネカの廃棄物とその処分方法の内訳(2022年度実績)

図:カネカの廃棄物とその処分方法の内訳

カネカの廃棄物の推移

(年度) 2018 2019 2020 2021 2022
最終埋立処分量(トン) 2.2 23.1 29.4 34.5 23.7
最終埋立処分率(%) 0.003 0.035 0.041 0.053 0.038
廃棄物発生量(トン) 67,902 65,917 72,402 64,864 62,031
再資源化量(トン) 42,711 40,060 47,421 39,719 38,016

廃棄物の適正処理

2022年度も、新型コロナ感染症の影響を考慮しつつ、現地調査が可能な処分委託会社を訪問し、チェックリストに基づいた調査を実施しました。

プラスチック資源循環促進法への対応

プラスチック廃棄物の発生状況と削減目標

産業廃棄物として外部委託して処分したプラスチック廃棄物発生量は、カネカで1,742.8トン、国内グループ会社で2,786.4トンでした。カネカは、プラスチック廃棄物の発生量を年1%削減することを第一ステップの目標として排出量削減、再資源化率の向上に取り組みます。

プラスチック廃棄物の発生状況(2022年度)

(単位:トン)

発生量 再資源化量 単純焼却量 埋立量 再資源化率(%)
カネカ 1,742.8 1,599.2 142.4 1.2 91.8
国内グループ会社 2,786.4 2,354.6 350.0 81.9 84.5
合計 4,529.3 3,953.8 492.4 83.1 87.3

資源循環に関する環境教育の実施

カネカおよび国内グループ会社の社員を対象に、「サーキュラーエコノミーとは」、「資源循環に関するカネカの方針と取り組み」、「プラスチック資源循環に関わる法の遵守」について、eラーニングでの環境教育を実施しました。受講対象者数5,486名に対し、受講者数4,266名で77.8%の受講率でした。
受講者の感想については、概ね理解できた方が97%を占め、「世の中や他社の資源循環の取り組み事例」と「具体的な製品設計、自主回収・再資源化の事例」について、さらに知りたいとの声が多くありました。

環境教育の受講者数と受講率

受講対象者数 100%受講者 受講率
カネカ 4,459 3,344 75.0%
国内グループ会社 1,027 922 89.8%
合計 5,486 4,266 77.8%

3Rの推進

廃棄物の削減は、省資源化、コスト削減、CO2削減等の地球環境維持向上につながることから、全社的な活動として取り組んでいます。
カネカおよび国内グループ会社で発生する廃棄物の削減とリサイクルについては、各製造現場での3R活動を中心に推進しています。また、MFCA(マテリアルフローコスト会計)での工程分析手法による改善活動も国内グループ会社に展開し、継続して進めています。

3Rの取り組み事例

カネカの取り組み

プラスチック廃棄物の排出抑制のため、①製造工程の安定化による収率向上、②製造工程で発生する廃棄物の工程リサイクル、③プラスチック製造時のスケール発生抑止策の検討、④プラスチック廃棄物を再資源化するための分別の徹底に取り組んでいます。また、プラスチック廃棄物の有価物化による廃棄物の削減や外部委託して焼却処理しているプラスチック廃棄物の再資源化にも取り組んでいます。

国内グループ会社の取り組み

東武化学(株)では、環境省の令和4年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業(補助)の採択を受け、壁紙製造工程で発生する塩ビペーストゾル廃棄物のリサイクルに取り組んでいます。壁紙製造工程で発生するペーストゾル廃棄物(約200トン/年)は、従来、焼却処理していましたが、塩化ビニル樹脂と希釈剤が混合したペーストゾル廃棄物を蒸留操作により固液分離すれば、回収した希釈剤は壁紙原料として、蒸留残さの塩化ビニル樹脂は塩ビ系床材の原料としてリサイクルできるため、2023年度の稼働に向け、リサイクルプロセスの導入を進めています。

CHECK & ACT

産業廃棄物については、海外も含めた再資源化率向上に向け、排出量の管理を行っていきます。

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