環境
環境パフォーマンス
カネカグループは、地球環境と豊かな暮らしに貢献するソリューションの提供を促進するとともに、事業活動の基盤領域において、環境負荷低減および適正な情報開示に努めることで、さまざまな環境施策に取り組んでいます。
マテリアルバランス
カネカグループは、当社と国内外グループ会社を対象に、エネルギー・資源の投入と各種物質の排出・製品化の状況を集計し活動量を把握して、環境負荷の低減に努めています。
2022年度は、INPUTの主原材料が前年度より 66 千トン(3.8%)、エネルギー使用量が630GWh(11.5%)、水が3.6百万m3(9.5%)減少しました。OUTPUTでは、製品が139.9 千トン(6.4%)、GHGが184.0 千トンCO2e(11.9%)、NOx61.8トン(6.3%)、COD12.8トン(3.7%)、窒素8.4トン(5.4%)、リン1.1トン(21.7%)の減少となりました。また、カネカグループの廃棄物発生量の減少に伴い、再資源化量が2,520トン(4.5%)、最終埋立処分量が946.2トン(17.3%)減少しました。
なお気候変動・環境保全にかかる指標データについて、「データ集2023 」で第三者による保証を受け、信頼性・透明性を担保しています。
また指標データについて、一部算出方法の変更を行っています。詳細については、「環境に関する指標データの算定方法と説明 」をご確認ください。
2022年度実績
※1 カネカ、カネカ国内連結子会社40社、および非連結子会社7社。ただし、国内連結子会社には、セメダイン(株)の子会社は含んでいません。
環境会計
環境保全に関する投資・費用額、物量効果や経済効果を定量的に把握することで、環境保全活動を効率的かつ効果的に推進しています。環境省「環境会計ガイドライン2005年版」を参考に、一部カネカ独自の考え方を加えて、カネカ全工場と国内グループ会社30社(生産会社)を対象に算出しています。
2022年度の環境保全コスト(投資額)は、前年度より3,095百万円減少し893百万円でした。環境保全コスト(費用額)は、前年度より、公害防止コストが243百万円、資源循環コストが60百万円、研究開発コストが2,657百万円増加しました。
環境保全コスト(投資額、費用額)
(単位:百万円)
分類 | 主な取り組み内容 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
投資額 | 費用額 | 投資額 | 費用額 | 投資額 | 費用額 | |||
事業エリア内コスト | 1,049 | 5,637 | 3,987 | 6,048 | 893 | 6,350 | ||
①公害防止コスト | 大気、水質の公害防止対策 | 947 | 3,338 | 3,737 | 3,881 | 835 | 4,124 | |
②地球環境保全コスト | 温暖化防止(省エネ)対策など | - | - | - | - | - | - | |
③資源循環コスト | 廃棄物の処理、リサイクル、減量化 | 102 | 2,299 | 250 | 2,167 | 59 | 2,227 | |
上・下流コスト | 製品等のリサイクル・回収・処理 | 0 | 25 | 0 | 25 | 0 | 24 | |
管理活動コスト | 社員への環境教育、環境負荷の監視・測定など | 0 | 397 | 1 | 419 | 0 | 423 | |
研究開発コスト | 環境保全に資する製品の研究・開発など | - | 9,169 | - | 9,219 | - | 11,876 | |
社会活動コスト | 緑化、景観保護活動、環境情報公開など | 1 | 114 | 0 | 107 | 0 | 84 | |
環境損傷コスト | 環境保全の賦課金(SOx賦課金) | 0 | 8 | 0 | 2 | 0 | 9 | |
合計 | 1,050 | 15,350 | 3,988 | 15,820 | 893 | 18,766 |
(注)地球環境保全コスト投資額および費用額、研究開発コスト投資額は、集計対象に含めていません。合計は四捨五入の関係で合致しない箇所があります。
環境保全効果(物量単位)
分類 | 内容 | 項目 | 単位 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
公害防止 | 大気・水質汚染物質の排出量 | SOx | トン | 61.7 | 85.5 | 81.6 |
NOx | トン | 877.1 | 876.3 | 786.7 | ||
COD | トン | 220.9 | 236.2 | 228.7 | ||
PRTR排出量 | トン | 188.3 | 166.0 | 168.6 | ||
地球環境 | 温室効果ガス排出量 | GHG |
千トンCO2e | 1,177.1 | 1,219.6 | 1,095.3 |
エネルギー使用量 | GWh換算 | GWh | 4,092 | 4,247 | 3,802 | |
資源循環 | 最終埋立処分量 | 埋立量 | トン | 479.5 | 350.2 | 279.9 |
外部リサイクル推進 | 再資源化量 | トン | 55,750.8 | 48,906.8 | 47,390.1 |
環境保全対策に伴う経済効果は、前年度より、リサイクル等により得られた収入額が14百万円増加しましたが、省資源・原単位向上による費用の削減効果が115百万円、リサイクル等に伴う廃棄物処理費用の削減が142百万円、省エネルギー等による費用削減が338百万円減少しました。
環境保全対策に伴う経済効果(貨幣単位)
(単位:百万円)
内容 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|
リサイクル等により得られた収入額 | 189 | 184 | 198 |
省資源・原単位向上による費用の削減(※2) | 1,335 | -19 | -134 |
リサイクル等に伴う廃棄物処理費用の削減(※2) | 110 | 448 | 306 |
省エネルギー等による費用の削減 | 24 | 422 | 84 |
合計 | 1,657 | 1,035 | 453 |
(注)合計は四捨五入の関係で合致しない箇所があります。
※2 国内の一部事業所において、「省資源・原単位向上による費用の削減」と「リサイクル等に伴う廃棄物処理費用の削減」の2022年度実績を算定する際に、正負の取り扱いが逆であったことが判明したため、2020年度と2021年度の実績値を修正しました。
環境関連投資の実績・推移(カネカ)
環境保全に対して継続的に投資を行っています。
2022年度の環境関連投資は、870百万円で、主な内訳は大気が54.2%、水質が22.3%、作業環境が13.2%、産廃が6.9%、粉じんが1.5%、臭気が1.0%、次いで騒音が0.8%です。
また、5年間の平均環境関連投資額は約15.6億円です。その内訳は、水質関係(58.2%)が最も多く、大気関係(25.2%)、作業環境(9.31%)の順となっています。今後も積極的な投資を行い、環境保全の維持向上に努めていきます。
環境関連投資の内訳(2022年度)
環境関連投資額推移
環境効率(カネカ)
カネカは、生産活動に伴って発生する環境負荷をJEPIXの手法で統合した環境影響ポイント(EIP)を用いた環境効率を指標として評価しています。
2022年度の総環境負荷量は、主に、オゾン層破壊物質、温室効果ガス、海域等へのリン・窒素、NOxが減少し、41.0億EIPで前年度より13.9%、環境効率は前年度より28.2%改善しました。
環境効率
総環境負荷量(EIP)の内訳
年度 | 売上高(百万円) | 環境負荷量(億EIP) | 環境効率(円/EIP) |
---|---|---|---|
2020 | 279,774 | 43.3 | 64.5 |
2021 | 334,675 | 47.7 | 70.2 |
2022 | 369,172 | 41.0 | 90.0 |
CHECK & ACT
環境に配慮した経営のもと、環境に関わる法令や自治体との協定値を遵守するとともに、ISO14001内部監査やESG安全・品質査察などで遵守状況を確認し、今後も環境リスクの低減のための管理活動を行います。
また温室効果ガスについては、排出量の見える化と継続的な省エネの推進に取り組み、環境負荷低減、環境効率のさらなる向上に努めていきます。
TOPICSグリーンボンド(環境債)を発行
当社は、2019年9月第7回無担保普通社債として、カネカ生分解性バイオポリマー Green Planet®(以下、Green
Planet®)の製造設備および研究開発の資金調達を目的とするグリーンボンド(環境債)を発行しました。グリーンボンドは、ESG債の一つで、環境問題の解決に貢献する事業に資金使途を限定した債券であり、事業債として日本の化学会社では初めての発行となります。
Green
Planet®は、微生物が植物油を摂取し、ポリマーとして体内に蓄えたものを取り出した100%植物由来の素材であり、かつ、海中や土壌中で微生物によって生分解されるという特徴を持っています。近年、世界的な社会問題となっているマイクロプラスチックによる海洋汚染問題の解決が期待されている素材です。
当社は、グリーンボンド発行のために国際資本市場協会(ICMA)の「グリーンボンド原則(Green
Bond
Principles)2018」および環境省の「グリーンボンドガイドライン2017年版」に即したグリーンボンド・フレームワークを策定しました。本グリーンボンドの適格性と透明性の確保および投資家への訴求力向上のため、第三者評価として、株式会社格付投資情報センターから、当フレームワークがグリーンボンド原則2018およびグリーンボンドガイドライン2017年版に適合する旨のセカンドオピニオンを取得しており、また、同社のグリーンボンドアセスメントにおいて、最上位評価である「GA1」予備評価を取得しています。
なお、グリーンボンド原則における対象となる事業区分およびSDGsにおける対象となる開発目標は下表の通りです。
グリーンボンド原則/グリーンプロジェクト・カテゴリー | SDGs開発目標 |
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