環境
汚染防止と化学物質管理
カネカグループでは、大気·水質の汚染防止、人や環境に有害な化学物質の適正な管理と排出量の削減に取り組んでいます。
大気汚染防止
カネカは大気汚染防止法の規制値や自治体との協定値を遵守し、生産活動を行っています。
2023年度は、カネカ全工場でSOx、NOx、ばいじんの排出量が、前年度より減少しました。これは、石炭ボイラーで使用する石炭使用量の減少などによるものです。
(注)グラフの合計は四捨五入の関係で合致しない箇所があります。
SOx排出量

NOx排出量

ばいじん排出量

水の保全
カネカは、水質汚濁防止法の規制値や自治体との協定値を遵守し、生産活動を行っています。
2023年度は、カネカグループの水使用量が33.0百万m3、排水量が29.8百万m3でした。取水量をモニタリングし、効率的な水利用に努めます。また水質汚染防止の観点から、公共用水域排水の水質維持・向上を図っていきます。
水リスク評価については、カネカグループの各事業所、国内外グループ会社の拠点において、評価ツール(Aqueduct Water Risk Atlas)で水ストレスが高い地域を特定し、全体の取水量に占める水ストレス地域の取水量の割合から、カネカグループ全体における水リスクは高くないことを確認しています。今後は、評価対象とする地理的・時間的範囲を拡大し、評価結果に基づいて優先順位をつけて対応を実施していきます。
(注)グラフの合計は四捨五入の関係で合致しない箇所があります。
水使用量(※1)

排水量(※1)

排水中のCOD(化学的酸素要求量)(※1)(※2)

排水中の窒素量(※1)(※2)

排水中のリン量(※1)(※2)

排水中のSS(浮遊物質)量(※1)(※2)

※1 工場部門以外の非製造施設も含みます。
※2 2023年度実績より海外グループ会社を第三者保証の対象とするに当たり、2022年度以前のデータを見直しした結果、算定方法の誤りが発見されたため実績値を修正しました。
VOC(揮発性有機化合物)排出削減
VOC(※3)は、光化学スモッグの原因物質を生成することが知られており、その排出量の削減に取り組んでいます。カネカでは、2015年度にVOC排出量を1,800トン以下に抑制する目標を設定しました。
2023年度は、VOC排出量が1,687トンで前年度より7.3%減少し、目標を達成することができました。VOC排出量低減に向けては、冷凍機の更新で冷凍能力のアップによりVOC排出量の45%を占めるアセトンの回収率向上に取り組んでいます。今後もVOCの排出量の管理と低減に努めていきます。
※3 VOC(揮発性有機化合物):大気中に排出、または飛散したときに容易に揮発する物質で、浮遊粒子状物質の生成や光化学オキシダントの原因になるとされている有機化合物のことです。
VOC排出量(カネカ)

有害大気汚染物質
カネカでは、6つの有害大気汚染物質(グラフでカネカ工場別に示す6物質)の排出量削減を目指しています。2023年度は、6物質合計の排出量は18.6トンで、前年度の24.1トンから22.8%減少しました。
排出量の減少は、1,2-ジクロロエタンが、前年度の設備機器トラブルで一時的に排出量が増加しましたが、設備改善によりその影響がなくなったこと、ジクロロメタンが生産量減少により取扱量が減少したこと要因です。高砂工業所では、設備管理強化を進め、これら有害大気汚染物質の排出抑制に取り組んでいます。引き続き、環境負荷低減に向けて、排出量の抑制に努めていきます。
クロロエチレン大気排出量

1,2-ジクロロエタン大気排出量

クロロホルム大気排出量

アクリロニトリル大気排出量

1,3-ブタジエン大気排出量

ジクロロメタン大気排出量

PRTR法対象物質
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)に基づき、対象化学物質の排出·移動した量を算定しています。
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)の改正で対象物質が変更となったため、カネカで13物質、国内グループ会社で5物質が新たに報告対象となりました。その内、排出量の増加に大きな影響があったのは、テトラヒドロフラン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩、アルキル(ベンジル)(ジメチル)アンモニウムの塩、シクロヘキサンです。
カネカのPRTR法対象化学物質の排出量・移動量
(単位:kg)
管理番号 | 化学物質の名称 | 2023年度 | 2022年度 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
排出量 | 移動量 | 排出量 | |||||||
大気への排出 | 公共用水域への排出 | 当該事業所における土壌への排出 | 当該事業所における埋立処分 | 合計 | 合計 | 合計 | |||
排出量の多い10物質 | 392 | ヘキサン | 20,699 | 0 | 0 | 0 | 20,699 | 108,062 | 24,336 |
595 | エチレンジアミン四酢酸並びにそのカリウム塩及びナトリウム塩 | 0 | 19,521 | 0 | 0 | 19,521 | 1,136 | ― | |
134 | 酢酸ビニル | 13,949 | 308 | 0 | 0 | 14,257 | 0 | 6,486 | |
94 | クロロエチレン(別名塩化ビニル) | 12,974 | 659 | 0 | 0 | 13,632 | 954 | 14,192 | |
275 | ドデシル硫酸ナトリウム | 0 | 8,504 | 0 | 0 | 8,504 | 0 | 8,479 | |
420 | メタクリル酸メチル | 4,983 | 41 | 0 | 0 | 5,024 | 2 | 5,258 | |
674 | テトラヒドロフラン | 3,650 | 0 | 0 | 0 | 3,650 | 6,181 | ― | |
232 | N,N-ジメチルホルムアミド | 2,276 | 1,142 | 0 | 0 | 3,418 | 216,231 | 3,185 | |
7 | アクリル酸ブチル | 3,312 | 1 | 0 | 0 | 3,313 | 2,881 | 3,306 | |
123 | 3-クロロプロペン (別名:塩化アリル) |
3,252 | 0 | 0 | 0 | 3,252 | 0 | 2,827 | |
上記10物質以外の小計 | 14,090 | 5,254 | 0 | 0 | 19,344 | 154,789 | 24,979 | ||
全物質合計 | 79,184 | 35,429 | 0 | 0 | 114,613 | 490,235 | 93,048 |
(注)PRTR法届出対象の515物質のうち、カネカの届出対象物質数は61種類。
合計は四捨五入の関係で合致しない箇所があります。
国内グループ会社のPRTR法対象化学物質の排出量・移動量
(単位:kg)
管理番号 | 化学物質の名称 | 2023年度 | 2022年度 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
排出量 | 移動量 | 排出量 | |||||||
大気への排出 | 公共用水域への排出 | 当該事業所における土壌への排出 | 当該事業所における埋立処分 | 合計 | 合計 | 合計 | |||
排出量の多い10物質 | 232 | N,N-ジメチルホルムアミド | 35,040 | 0 | 0 | 0 | 35,040 | 17,659 | 41,111 |
300 | トルエン | 26,924 | 0 | 0 | 0 | 26,924 | 745,322 | 19,763 | |
691 | トリメチルベンゼン | 2,805 | 0 | 0 | 0 | 2,805 | 0 | 2,696 | |
80 | キシレン | 2,619 | 0 | 0 | 0 | 2,619 | 0 | 2,517 | |
186 | ジクロロメタン(別名:塩化メチレン) | 2,528 | 0 | 0 | 0 | 2,528 | 38,372 | 7,336 | |
127 | クロロホルム | 500 | 0 | 0 | 0 | 500 | 5,750 | 50 | |
392 | ヘキサン | 470 | 0 | 0 | 0 | 470 | 8,350 | 240 | |
355 | フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) | 313 | 32 | 0 | 0 | 345 | 242,719 | 522 | |
56 | エチレンオキシド | 196 | 0 | 0 | 0 | 196 | 0 | 700 | |
438 | メチルナフタレン | 72 | 0 | 0 | 0 | 72 | 0 | 74 | |
上記10物質以外の小計 | 6 | 6 | 0 | 0 | 12 | 22,258 | 518 | ||
全物質合計 | 71,472 | 38 | 0 | 0 | 71,509 | 1,080,430 | 75,527 |
(注)PRTR法届出対象の515物質のうち、国内グループ会社の届出対象物質数は31種類。
合計は四捨五入の関係で合致しない箇所があります。
CHECK & ACTION
大気、水質の環境負荷については負荷低減策の推進を図るとともに、異常時にも迅速に対応できるように努めています。