汚染防止と化学物質管理

カネカグループでは、大気·水質の汚染防止、人や環境に有害な化学物質の適正な管理と排出量の削減に取り組んでいます。

大気汚染防止

カネカは大気汚染防止法の規制値や自治体との協定値を遵守し、生産活動を行っています。
大気では、2022年度のカネカ全工場のSOx排出量、NOx排出量とばいじん排出量は、前年度より減少しました。これは、石炭ボイラーで使用する石炭の硫黄分が増加したものの、夜間発電量の抑制で石炭使用量が減少した影響によるものです。また国内グループ会社では、SOx排出量が減少しましたが、NOx排出量とばいじん排出量が増加しました。

SOx排出量

グラフ:SOx排出量

NOx排出量

グラフ:NOx排出量

※1 海外グループ会社の一部事業所で、SOxとNOxの大気排出量データに算定漏れがあり、2021年度実績値を修正しました。

ばいじん排出量

グラフ:ばいじん排出量

カネカの大気への排出量の推移

(年度) 2018 2019 2020 2021 2022
SOx排出量(トン) 74.5 70.1 48.9 71.6 68.8
NOx排出量(トン) 825.7 834.9 828.1 830.7 738.9
ばいじん排出量(トン) 22.8 21.7 22.3 21.7 20.5

水の保全

カネカは水質汚濁防止法の規制値や自治体との協定値を遵守し、生産活動を行っています。
2022年度のカネカグループの水使用量は34.1百万m3、排水量は29.2百万m3でした。取水量をモニタリングし、効率的な水利用に努めています。
また、2022年度も、カネカグループの各事業所、国内外グループ会社の拠点について、水リスク評価を行いました。評価ツール(Aqueduct Water Risk Atlas)で水ストレスが高い地域を特定し、全体の取水量に占める水ストレス地域の取水量の割合から、カネカグループ全体における水リスクは高くないことを確認しています。今後は評価対象とする地理的・時間的範囲を拡大し、評価結果に基づいて優先順位をつけて対応を実施していきます。
水質汚染防止の観点では、カネカでのCOD、窒素、SS、リンの排出量が減少しました。国内グループ会社では、COD、SS、窒素の排出量が増加しました。海外グループ会社では、COD、窒素、リンの排出量が減少しましたが、SSの排出量が増加しました。引き続き公共用水域への排水について、水質の維持・向上を行っていきます。

水使用量(※2)

グラフ:水使用量

排水量(※2)

グラフ:排水量

排水中のCOD(化学的酸素要求量)(※2)

グラフ:排水中のCOD

排水中の窒素量(※2)

グラフ:排水中の窒素量

排水中のリン量(※2)

グラフ:排水中のリン量

排水中のSS(浮遊物質)量(※2)

グラフ:排水中のSS

※2 工場部門以外の非製造施設も含みます。

※3 2021年度実績より国内グループ会社を第三者保証の対象にするに当たり、2020年度データを見直した結果、入力ミス等が発見されたため、2020年度実績値を修正しました。

※4 従来は計量器を設定していなかったため集計に含めていなかった国内の一部事業所の海水の使用量を、2021年度より集計に含めました。なお、当該海水は従前から排水量には含めています。

カネカの水域への排出量の推移

(年度) 2018 2019 2020 2021 2022
水使用量(百万m3 21.6 21.8 21.5 24.3 24.2
排水量(百万m3 23.0 21.5 19.5 19.5 20.6
排水中のCOD(トン) 241.4 227.4 215.7 230.2 219.3
排水中の窒素量(トン) 153.5 146.5 141.9 150.7 142.5
排水中のリン量(トン) 4.7 5.3 4.9 4.4 3.3
排水中のSS量(トン) 170.1 178.2 183.4 199.7 176.5

VOC(揮発性有機化合物)排出削減

VOC(※5)は、光化学スモッグの原因物質を生成することが知られており、その排出量の削減に取り組んでいます。カネカでは、2015年度にVOC排出量を1,800トン以下に抑制する目標を設定しました。
2022年度の排出量は1,821トンとなり、前年度より4.4%減少しましたが、目標を達成できませんでした。VOC排出量は、生産量と生産品種の構成に大きく影響しますが、VOC排出量の47%を占めるアセトンについては、冷凍機更新での冷凍能力のアップなどにより回収率の向上に取り組んでいます。今後もVOCの排出量の管理と低減に努めていきます。

※5 VOC(揮発性有機化合物):大気中に排出、または飛散したときに容易に揮発する物質で、浮遊粒子状物質の生成や光化学オキシダントの原因になるとされている有機化合物のことです。

VOC排出量(カネカ)

グラフ:VOC排出量

有害大気汚染物質

カネカが自主的に排出量の削減を目指す6つの有害大気汚染物質(グラフでカネカ工場別に示す6物質)の2022年度の排出量の合計は24.1トンで、前年度より11.2%減少しました。排出量の減少は、生産量減少による取扱量減少によるものです。高砂工業所では、設備管理強化を進め、これら有害大気汚染物質の排出抑制に取り組んでいます。環境負荷低減のために引き続き排出量の抑制に努めていきます。

クロロエチレン大気排出量

グラフ:クロロエチレン排出量

1,2-ジクロロエタン大気排出量

グラフ:1,2-ジクロロエタン排出量

クロロホルム大気排出量

グラフ:クロロホルム排出量

アクリロニトリル大気排出量

グラフ:アクリロニトリル排出量

1,3-ブタジエン大気排出量

グラフ:1,3-ブタジエン排出量

ジクロロメタン大気排出量

グラフ:ジクロロメタン排出量

※6 データを見直した結果、入力ミスなどが発見されたため、実績値を修正しました。

PRTR法対象物質

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)に基づき、対象化学物質の排出·移動した量を算定しています。
2022年度のカネカの総排出量は93.0トンで、前年度より3.1トン減少しました。国内グループ会社の総排出量は75.5トンで、前年度より5.7トン増加しました。

カネカのPRTR法対象化学物質の排出量・移動量

(単位:kg)

  改正政令指定番号 化学物質の名称 2022年度 2021年度
排出量 移動量 排出量
大気への排出 公共用水域への排出 当該事業所における土壌への排出 当該事業所における埋立処分 合計 合計 合計
排出量の多い10物質 392 ノルマル-ヘキサン 24,336 0 0 0 24,336 107,985 19,476
94 クロロエチレン
(別名:塩化ビニル)
13,722 470 0 0 14,192 942 14,044
275 ドデシル硫酸ナトリウム 0 8,479 0 0 8,479 0 8,479
134 酢酸ビニル 6,191 295 0 0 6,486 0 6,168
157 1,2-ジクロロエタン 5,943 33 0 0 5,976 0 8,005
420 メタクリル酸メチル 5,255 3 0 0 5,258 11 5,470
240 スチレン 4,312 38 0 0 4,350 12,067 5,425
7 アクリル酸ノルマル-ブチル 3,306 0 0 0 3,306 4,005 3,670
232 N,N-ジメチルホルムアミド 2,244 941 0 0 3,185 181,835 5,607
123 3-クロロプロペン
(別名:塩化アリル)
2,827 0 0 0 2,827 0 3,107
上記10物質以外の小計 8,774 5,879 0 0 14,653 73,541 16,685
全物質合計 76,911 16,137 0 0 93,048 380,386 96,136

(注)PRTR法届出対象の462物質のうち、カネカの届出対象物質数は60種類。
合計は四捨五入の関係で合致しない箇所があります。

国内グループ会社のPRTR法対象化学物質の排出量・移動量

(単位:kg)

  改正政令指定番号 化学物質の名称 2022年度 2021年度
排出量 移動量 排出量
大気への排出 公共用水域への排出 当該事業所における土壌への排出 当該事業所における埋立処分 合計 合計 合計
排出量の多い10物質 232 N,N-ジメチルホルムアミド 41,111 0 0 0 41,111 24,596 26,035
300 トルエン 19,763 0 0 0 19,763 336,233 21,009
186 ジクロロメタン
(別名:塩化メチレン)
7,336 0 0 0 7,336 133,576 14,273
80 キシレン 2,517 0 0 0 2,517 0 2,486
296 1,2,4-トリメチルベンゼン 2,696 0 0 0 2,696 0 2,662
56 エチレンオキシド 700 0 0 0 700 0 351
355 フタル酸ビス
(2-エチルヘキシル)
489 33 0 0 522 251,257 759
242 N,N-ジメチルアセトアミド
(DMAC)
516 0 0 0 516 25,000 1,690
392 ノルマル-ヘキサン 240 0 0 0 240 4,130 470
438 メチルナフタレン 74 0 0 0 74 0 41
上記10物質以外の小計 50 2 0 0 52 18,944 103
全物質合計 75,492 35 0 0 75,527 793,736 69,879

(注)PRTR法届出対象の462物質のうち、国内グループ会社の届出対象物質数は28種類。
合計は四捨五入の関係で合致しない箇所があります。

CHECK & ACT

大気、水質の環境負荷については負荷低減策の推進を図るとともに、異常時にも迅速に対応できるように努めています。

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