内なるパラダイムチェンジャーへの道:海洋汚染の課題を解決する

カネカ生分解性ポリマーGreen Planetの社会実装を急ぎ、サステナブルな社会を目指す

持続可能な社会を支え、地球環境と生活の革新に貢献する100%植物由来で海中や土壌中など自然環境下での生分解性を有するカネカ生分解性ポリマーGreen Planet(以下、Green Planet)を暮らしの中にお届けしていきます。

社会に必要とされている価値提供拡大に向けての共同開発プロジェクトの取り組み

100%植物由来のGreen Planetは、幅広い環境下で優れた生分解性を有し、海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE」を一部グレードで取得しており、マイクロプラスチックによる海洋汚染低減に貢献します。世界が抱えているプラスチック汚染問題や環境問題のソリューションとして期待が非常に高まっています。
株式会社資生堂とは、ブランドSHISEIDOの「Sustainable Beauty Actions(SBAS)」のコンセプトにある「海を大事に想う」という考え方が、当社のGreen Planetの特徴である海洋分解性と合致することから、世界で初めてGreen Planetを採用した化粧品容器を共同開発し、2020年11月より東京・ギンザのブランド旗艦店「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE」にて限定で発売されました。
株式会社セブン-イレブン・ジャパンでは国内の約10,000店舗において、セブンカフェ用の6mm径のストローに使用されています。また、2020年6月には「セブンカフェ」の新ラインアップ「セブンカフェ カフェラテスイーツ」の8mm径のストローにも採用され、順次、全国展開されました。
海外でも果物・野菜袋、ごみ袋、育苗ポット、コーヒーカプセルなど幅広い用途で採用されています。さらにグローバル展開している多数のブランドホルダーとカトラリー、レジ袋、カップ蓋、紙コーティングの用途での具体的な検討が進んでいます。
「カネカは世界を健康にする」という考えのもと、今後もソリューションプロバイダーとして、ブランドホルダーと共同して、グローバルに価値を提供してまいります。

写真:アクアジェル リップパレット

アクアジェル リップパレット
(提供:株式会社資生堂のブランド「SHISEIDO」)

写真:セブンカフェ カフェラテスイーツ

セブンカフェ カフェラテスイーツ

Green Planet開発・導入普及のロードマップと能力増強構想

図:Green Planet開発・導入普及のロードマップと能力増強構想

社会価値・経済価値のさらなる拡大に向けて ~資源循環システム構築実証事業へ参画~

Green Planetは、原料として植物油を利用していることから、調理などに使用済みの食用油(廃食用油)利用の検討に取り組んでいました。2019年からは、環境省の公募事業に採択された「PHA系バイオプラスチックのライフサイクル実証事業」(申請者(公財)京都高度技術研究所)に共同実施者として参画しています。同事業は、

の3事業からなり、脱炭素・循環型社会の構築や海洋プラスチック対策の推進に向け、新たな循環型ごみ処理システムの構築を目指すものです。
当社は主に、①の国産バイオマス原材料である事業・家庭系から発生する廃食用油を原材料にGreen Planetを生産する技術実証、②のバイオガス化プラントでの利用に向けた廃食用油を原材料としたGreen Planet製生ごみ袋を試作する事業を分担しています。
これまでに、事業系廃食用油の原材料としての利用技術は概ね確立し、バイオガス化プロセスでGreen Planetの生分解が進行することが確認できました。2021年はさまざまな発生源の廃食用油の利用技術とスケールアップ、生ごみ袋の量産化に取り組みます。本事業を通じて、生ごみのバイオガス化施設の活用を図ろうとする自治体および事業者へGreen Planet製生ごみ袋活用の提案、生ごみなどの食品廃棄物のバイオガス化によるエネルギー回収と循環利用に取り組む自治体および事業者への普及拡大に貢献します。

PHA系バイオプラスチックのライフサイクル実証事業

図:PHA系バイオプラスチックのライフサイクル実証事業

(資料出典:2020年3月(公財)京都高度技術研究所)

(注) カネカ生分解性ポリマーPHBHは「カネカ生分解性ポリマーGreen Planet」に商標を変更しました(2021年2月)。

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