カネカ 第3回バイオインダストリー大賞を受賞
―カネカ生分解性ポリマー®PHBH®の研究と生産技術の開発で―
2019年10月11日
株式会社カネカ(本社:東京都港区、社長:角倉 護)は、東京工業大学 土肥義治名誉教授と協同で取り組んだ「海洋分解性を有する生分解性プラスチックの微生物合成系の研究と大量生産技術の開発」で、一般社団法人バイオインダストリー協会*1より「第3回バイオインダストリー大賞*2」を受賞しました。同賞は、バイオインダストリーの発展に大きく貢献し、また今後の発展に大きく貢献すると期待される顕著な業績を表彰するものであり、10月9日にパシフィコ横浜にて表彰式が行われました。
「カネカ生分解性ポリマー®PHBH®」(以下、PHBH®)は100%植物由来のバイオポリマーであり、幅広い環境下で優れた生分解性を有します。マイクロプラスチックによる海洋汚染が社会問題となっている中、当社は産学連携のもと、高い海洋分解性を持つPHBH®の大量生産技術を確立しました。この取り組みが国内外のバイオインダストリーの発展に大きく寄与する業績として評価され、受賞に至りました。
PHBH®は、米国食品医薬品局(FDA)、ポリオレフィン等衛生協議会、欧州委員会のポジテイブリストに掲載され、全食品接触用途で使用可能となりました。欧州では果物・野菜袋やコンポスト*3袋向けの販売量が増加し、国内では、コンビニエンスストアや化粧品メーカーなど大手顧客において、ストローやレジ袋、包装材など幅広い用途で採用が進んでいます。当社は今後のさらなる需要拡大に向けて、PHBH®の製造設備(高砂工業所)の生産能力を年間1,000tから5,000tに増強する工事を進めており、2019年12月の稼働を予定しています。
当社は、2018年にESG経営への進化に取り組むべく「ESG憲章」を策定し、地球環境保護に取り組み、資源の保全や環境負荷の低減により、社会の持続的発展と豊かな社会の実現を目指しています。また「カネカは世界を健康にする」という考えのもと、今後もソリューションプロバイダーとしてグローバルに価値を提供してまいります。
以上
- 微生物などを利用するバイオインダストリーの科学技術や関連産業の発展を目的に、産業界、学界、官界一体となり運営される機関。バイオインダストリーに関する先端技術の開発から産業化まで幅広く取り組んでいる。
- 2017年、一般財団法人バイオインダストリー協会の30周年記念事業として創設。第1回は、京都大学高等研究院 本庶佑特別教授、第2回は富山県薬事総合研究開発センター 髙津聖志所長が受賞した。(役職名は受賞当時)
- 生ゴミなどの有機物を微生物の働きで分解させて堆肥にする処理方法、またはその堆肥のこと。
第3回バイオインダストリー大賞 表彰式で撮影
前列左から、阿部啓子バイオインダストリー協会会長、土肥義治東京工業大学名誉教授、松本健、相澤益男選考委員長
後列左から、松本圭司、藤木哲也、佐藤俊輔