カネカ 日本植物細胞分子生物学会 技術賞を受賞
―農研機構との共同研究で―
株式会社カネカ IR・広報部
2018/09/05
2018/09/05
株式会社カネカ(本社:東京都港区、社長:角倉 護、以下、カネカ)は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構*1(所在地:茨城県つくば市、理事長:久間 和生、以下、農研機構)との共同研究「茎頂メリステム*2をターゲットにした培養不要で汎用性の高い遺伝子改変技術の開発」で日本植物細胞分子生物学会*3の2018年度技術賞を受賞しました。同賞は、植物バイオテクノロジーを活用して実用化された、または実用化間近の研究成果に対して授与されるもので、8月27日に開催された第36回日本植物細胞分子生物学会大会・シンポジウム(金沢)にて同賞の授賞式と受賞講演が行われました。
同賞の受賞対象である遺伝子改変技術は、植物の芽に遺伝子や酵素を直接導入する技術(iPB法)*4にゲノム編集技術を組み合わせた革新的な品種改良技術です。本技術を用いることで、従来の遺伝子導入技術では必須であり、時間を要していた組織培養が不要となり、育種プロセスを大幅に簡略化できます。今後は、適用作物の拡大(コムギの他、ダイズやトウモロコシ、ジャガイモなど)に加え、環境ストレス耐性など作物の機能向上*5により当技術の実用化を進めていきます。
カネカは、食の安心・安全、また、安定供給に繋がるソリューション提供を目指し、オープンイノベーションも活用しながら、機能性や多収性に優れた作物品種の技術開発を進めてまいります。
以 上
【受賞概要】
受賞名: | 日本植物細胞分子生物学会 技術賞 |
業績名: | 茎頂メリステムをターゲットにした培養不要で汎用性の高い遺伝子改変技術の開発 |
受賞者: | 今井亮三(農研機構)、濱田晴康、三木隆二、柳楽洋三、田岡直明(株式会社カネカ) |
- 農林水産省所管の国立研究開発法人で、日本国内の農業と食品産業の発展のための研究開発を行う機関
- 植物の生長点において細胞分裂を活発に行っている組織
- 日本植物組織培養学会として1981年に設立され、1995年に「日本植物細胞分子生物学会」と改称された。植物組織培養、分子生物学、および細胞工学の基礎研究とその応用開発研究の発展をめざして、理学、農学薬学、工学などの多方面の分野における研究者の協力と研究情報の交流を図ることを目的として活動している(同学会ホームページより)
- in planta Particle Bombardmentの略。芽の生長点にある生殖細胞(花粉、胚珠等)に遺伝子導入する技術。
- 標的遺伝子の破壊に加え、塩基置換や配列挿入も含む様々な遺伝子改変により、有用な機能(高温、乾燥などの環境ストレス耐性、病害耐性、多収性など)を付与すること
(左から、田岡直明、柳楽洋三、三木隆二、
濱田晴康、今井亮三主席研究員(農研機構)、
山川隆日本植物細胞分子生物学会長)