抗体医薬品精製用プロテインA担体の新製品を販売開始
―抗体の吸着容量が約50パーセント向上―
株式会社カネカ CSR推進部広報室
2017/01/12
2017/01/12
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:角倉 護)は、新しい抗体医薬品精製用プロテインA担体(製品名:KANEKA KanCapA™ 3G)の販売を開始しました。当製品は抗体の静的吸着容量*1を当社従来品と比べ約50パーセント向上させており、抗体医薬品の製造コスト削減や生産性向上への貢献が期待されます。抗体医薬品は、免疫を利用した治療薬で、がんやリウマチなどに使用されており、近年、市場の拡大が進み、さらなる生産性の向上、製造コストの削減が求められています。
プロテインA担体は、抗体医薬品の製造において、抗体を特異的かつ高容量で吸脱着できることから、精製の段階で広く使用されています。抗体医薬品製造の培養工程では生産性が飛躍的に向上している一方で、精製工程ではより効率的に精製する資材の要望が高まっています。当社は独自技術により開発したプロテインA担体(製品名:KANEKA KanCapA™)を2012年から販売しており、既に市場での採用実績があります。今回発売した新製品は、タンパク質設計技術を駆使したリガンド*2の改良により、抗体の静的吸着容量を当社従来品と比べ約50パーセント向上させました。これにより、プロテインA担体を含む資材使用量の削減や、精製処理時間の短縮など生産効率の改善が見込まれます。また、培養工程で生じる不要なタンパク質などを除去する性能に優れているという特長があります。当社は、国が推進するオールジャパンでの医薬品創出の取り組みの一環である「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発」事業*3に参画しており、研究開発の一部に当該事業の資金を活用し、本製品を完成させました。今後さらに、抗体医薬品に対する最適な精製方法を提案できる製品群を拡大し、新しいソリューションの提供を進めていきます。
プロテインA担体は、抗体医薬品の製造において、抗体を特異的かつ高容量で吸脱着できることから、精製の段階で広く使用されています。抗体医薬品製造の培養工程では生産性が飛躍的に向上している一方で、精製工程ではより効率的に精製する資材の要望が高まっています。当社は独自技術により開発したプロテインA担体(製品名:KANEKA KanCapA™)を2012年から販売しており、既に市場での採用実績があります。今回発売した新製品は、タンパク質設計技術を駆使したリガンド*2の改良により、抗体の静的吸着容量を当社従来品と比べ約50パーセント向上させました。これにより、プロテインA担体を含む資材使用量の削減や、精製処理時間の短縮など生産効率の改善が見込まれます。また、培養工程で生じる不要なタンパク質などを除去する性能に優れているという特長があります。当社は、国が推進するオールジャパンでの医薬品創出の取り組みの一環である「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発」事業*3に参画しており、研究開発の一部に当該事業の資金を活用し、本製品を完成させました。今後さらに、抗体医薬品に対する最適な精製方法を提案できる製品群を拡大し、新しいソリューションの提供を進めていきます。
以 上
*1 静的吸着容量とは、その担体が目的分子を吸着できる最大量のこと。これに対して動的吸着容量は、充てんした担体に一定の流速で目的分子を通液した場合に、漏出が起こるまでに吸着できる量のこと。当社新製品は、接触時間6分の動的吸着容量が60g/Lを超える業界最高レベルの高吸着容量担体である。*2 リガンドとは、特定の受容体に特異的に結合する物質のこと。当社製品の場合は、リガンドはプロテインAを指し、受容体は抗体を指す。
*3 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の公募事業の1つ。当社が組合員企業として参画する「次世代バイオ医薬品製造技術研究組合」が当該事業の実施機関として採択を受け、バイオ医薬品を国際基準に適合して製造する高度・高効率な次世代の製造技術開発を行っている。