壁面設置型の低反射環境配慮型太陽光発電システムを開発、実証試験開始へ
2016/02/29
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:角倉 護)は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で、太陽電池モジュールの表面の凹凸構造によって光散乱させ反射を低減させるとともに、太陽電池モジュールの内部に光を閉じ込める技術を用いて実発電量の向上が期待できる低反射モジュールを開発しました。また、新しい防眩(ぼうげん)技術により多彩な色をつけることを可能とし、意匠性を高めました。本低反射環境配慮型太陽光発電システムを横浜市戸塚区の大成建設株式会社技術センター内に設置し、実証試験を開始しました。近年、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)※1実現に向けた取り組みが進められていますが、ZEBの推進には、設置面積の限られた建物の屋上だけでなく、壁面にも太陽光発電システムを導入し、エネルギー自給率を高めることが重要です。しかし、建物壁面に設置すると太陽電池モジュールからの周囲への太陽光反射による光害などが発生しており、導入の支障の要因となっています。
実証試験では、本モジュールにおける発電量を確認するとともに、年間日射のほとんどが斜入射となる建物壁面設置の太陽光発電システムにおいて、年間発電量の向上を実証する計画です。光害対策などの設置環境に配慮し、景観に調和した意匠性の高い壁面設置型の太陽光発電システムの実用化を目指し、ZEB実現に向けた取り組みを進めます。
※1 ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)
Net Zero Energy Buildingの略で、建築構造や設備の省エネルギー、再生可能エネルギー・未利用エネルギーの活用、地域内でのエネルギーの面的(相互)利用などの対策をうまく組み合わせることにより、エネルギーを自給自足し、化石燃料などから得られるエネルギー消費量がゼロ、あるいは、概ねゼロ、となる建築物のこと。