カネカ簡易DNA抽出キット version 2販売開始のお知らせ

―1つのキットで動物、植物由来のDNAを抽出可能―

株式会社カネカ 広報室
2014/11/18
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:角倉 護)は、2012年より、動植物由来の試料からデオキシリボ核酸(DNA)を10分程度で簡便に抽出できる技術を開発し、「カネカ簡易DNA抽出キット(動物組織用、植物用および血液用)」として販売しています。このたび、その技術をさらに進化させ、1つのキットで幅広い種類の試料から迅速にDNAを抽出できる「カネカ簡易DNA抽出キット version 2」を開発し、2014年10月31日より販売を開始しました。

遺伝子に基づく病気の治療や、食品表示と異なる食材や不純物混入の判定など、身の回りのさまざまな場面で遺伝子検査が重要な役割を果たしています。通常の遺伝子検査では、まず試料からDNA抽出するために、有機溶媒や酵素などを用いた処理や遠心分離装置を使った操作が不可欠でしたが、これらの作業工程は1時間以上も掛かるため、迅速かつ簡便にDNA抽出ができるキットが求められていました。

そこで、10分程度の抽出時間で容易にDNA抽出が可能なカネカ簡易DNA抽出キットを2012年に研究用試薬として販売しました。しかし、このキットにおいても、動物、植物、また血液など試料により別々の試薬を使い分ける必要がありました。カネカ 簡易DNA抽出キット version 2では、カネカ独自の技術により、試料の種類を問わず1種類のキットにより、約8分程度の時間でDNAを抽出することができます。抽出試薬の汎用性と操作時間の短縮により、DNA抽出に要する労力をさらに削減することが可能となりました。

当社では簡易DNA抽出キットの他、遺伝子検査の「迅速化」「簡素化」をコンセプトに、複数種のPCR*増幅を約5分で判定できる「カネカ核酸クロマト型チップ」や、核酸増幅を着色で目視判定できる「D-QUICK™」技術を開発、販売しています。今後、これらの技術を組み合わせるとともに、国内外の研究機関や検査診断薬メーカーなどと連携して、感染症などの検査診断薬や農畜水産・食品向けの検査キットの開発を進めていきます。

* Polymerase Chain Reactionの略。核酸合成酵素(PCR酵素)を用いて、特定の遺伝子を増幅する方法。この方向により、特定の遺伝子を検出することができ、バイオ研究、医療(ガン遺伝子検出など)、犯罪捜査などで利用されている汎用技術。
当社は、2009年に制定された長期ビジョン「KANEKA UNITED宣言」で健康に関する分野を重点分野の一つと位置付けています。今後も健康に貢献する研究および商品開発を積極的に展開していきます。

 

以 上