「カネカヒッププロテクター」の転倒予防医学研究会における推奨品登録について

株式会社カネカ 広報室
2013/07/09
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)が2012年10月12日から販売を開始した、衝撃吸収パッド付きインナーウェア『カネカヒッププロテクター』(婦人用)が、2013年6月より転倒予防医学研究会の推奨品として登録されました。

転倒予防医学研究会は、「転倒を予防し、骨折等の重篤な外傷を予防し、広く国民の健康増進と介護予防に貢献すること」を目的に2004年4月に設立された研究会です。研究会の目的に賛同し転倒・骨折の予防に興味を持つ、医学・医療、保健、福祉、教育、スポーツ、工学、法律及びその他の関連領域・分野の会員により構成されています。世話人代表は、学校法人日本体育大学 日体大総合研究所所長/東京大学名誉教授 武藤 芳照氏が務められています。転倒予防医学研究会では、毎年10月10日(転倒予防の日)に近い日曜日には500名程度の参加者が集う研究集会を開催しています。

推奨品登録制度とは、転倒予防医学研究会の事業のひとつとして、一般に販売されている転倒・骨折予防に関わる商品のなかで、登録申請を受けて審査を行い、商品の特性・品質を考慮し、転倒予防医学研究会が考える基準をクリアしたものを推奨品として登録し紹介する制度です。2013年7月時点で当社品含め計8種類の商品が登録されており、ヒッププロテクターでは当社品が2点目となります。 http://www.tentouyobou.jp/news/32.html

転倒による大腿骨頚部骨折は、「要介護状態」や「寝たきり」になる主原因のひとつとなっており、最近徐々に耳にするようになってきたロコモーティブシンドローム(略してロコモ)との関係で注目され始めております。

ロコモーティブシンドロームとは、公益社団法人日本整形外科学会のホームページによると、「運動器の障害による要介護の状態や要介護リスクの高い状態を表す新しい言葉」と定義されており、日本国内のロコモ対象者は、予備軍も含み、4,700万人いると言われており、社会問題になってきています。その中でも、骨折のリスクが高い骨粗しょう症患者は、潜在的な数を含めると1,280万人以上いると言われています。
ロコモーティブシンドロームの原因となる大腿骨頚部骨折は、高齢者のQOLのみならず、介護にあたる家族の負担軽減、医療費の削減、病院・介護施設におけるリスク管理といった観点からも、その防止は重要な課題となっております。
ヒッププロテクターの着用は施設入居高齢者の大腿骨頚部骨折の予防に有効として、「大腿骨頚部骨折の診療ガイドライン(改訂第2版)」(日本整形外科学会・日本骨折治療学会)、および、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年度版」(日本骨粗鬆症学会・日本骨代謝学会・骨粗鬆症財団)にて、強く推奨(Grade A)されています。一方、これまでのヒッププロテクターは装着するパッドが硬い、分厚いなどの着用感の問題から、高齢者が着用を敬遠したり、着用しても短時間・短期間で使用を中止したりするケースが多いという課題が指摘されており、普及が進んでいませんでした。こうしたことから、高齢者が転倒した際の衝撃を低減するとともに、長時間無理なく着用できるヒッププロテクターが切望されていました。

カネカヒッププロテクターのパッドは、当社の独自素材であり衝撃吸収性に優れるイソブチレン系熱可塑性エラストマー「SIBSTAR®」を用い更に発泡させた新開発の素材を使用するとともに、名古屋大学(田中英一教授)と芝浦工業大学(山本創太准教授)との共同研究を通して開発した衝撃拡散性に優れる独自の形状を採用しました。これにより、衝撃吸収性と衝撃拡散性の2つの機能を両立させることができ、約6mmと従来にない薄さで着用感に優れ、かつ転倒時の衝撃を低減できる画期的なパッドを開発しました。さらに、国立長寿医療研究センター病院(原田敦副院長)の協力を得て、同病院での実用評価結果を製品設計に反映させることでヒッププロテクターとしての完成度を高め、転倒時の衝撃を低減する機能と優れた着用感の両立を実現しております。

カネカヒッププロテクターは、ユアヘルスケア株式会社(カネカグループ)を通してお客様へご提供しております。また、ユアヘルスケア以外の販売ルートからのご提供につきましても現在準備を進めているところです。現在のところ婦人用のみをご提供しておりますが、近々、お客様からのご要望の多い紳士用もラインアップに加えることを予定しております。

当社は2009年に制定した長期ビジョン“KANEKA UNITED宣言”で健康に関する分野を重点戦略分野のひとつと位置付けております。今後、カネカヒッププロテクターは転倒予防医学研究会の推奨品であることも含めて市場での認知を更に進めていき、その関連製品も含め5年後に10億円の売上を目指します。カネカヒッププロテクターをはじめ、人々の健康や医療・介護に貢献できる素材や製品を創出して参ります。

<仕様およびバリエーション>

○衝撃吸収パッド イソブチレン系熱可塑性エラストマー
○インナーウェア(婦人用)  
・身生地 :     綿75%、ナイロン20%、ポリウレタン5%
・レース部: ナイロン、ポリウレタン
・サイズ : L(ヒップ92~100cm)、M(ヒップ87~95cm)、S(ヒップ82~90cm)
・カラー : ピンク、ラベンダー

 <製造・販売>

○製造販売元 株式会社カネカ
○販売元 ユアヘルスケア株式会社(カネカグループ)
○発売開始時期 2012年10月12日
○販売価格(税込) セット(インナーウェア・衝撃吸収パッド)8,900円、インナーウェア4,900円
○注文方法 ウェブ(ホームページ)、電話、ファックス、ハガキ
○問い合わせ先  
・ホームページ: http://www.kaneka-YHC.co.jp
・電話    : 0120-438-910(フリーダイヤル) 受付時間9:00~20:00/年中無休
・ファックス : 0120-788-910
・電子メール : hipprotector@kn.kaneka.co.jp
以 上