不凍タンパク質の冷凍麺市場での販売を開始

― 関西大学との共同研究の成果 ―

株式会社カネカ 広報室
2012/03/13

今回は業務用の冷凍麺3種(うどん、そば、中華麺)での採用となりましたが今後は卵加工品、米飯、水産練り製品、洋菓子といった用途へも展開を進め、2020年度に30億円の販売を目指します。株式会社カネカ(本社:大阪市 社長:菅原公一)は、2009年度より、カイワレ大根から抽出した不凍タンパク質(商品名:クリスタキープ®S-1)を有限会社ビック・ワールド社(本社:兵庫県姫路市、社長:福岡譲一)と共同開発してきました。このたび大手製麺メーカーの冷凍麺に採用され、3月より本格販売を開始いたしました。遺伝子組み換え技術を利用せず、抽出により得られた不凍タンパク質の商業販売は世界初です。

当社は2008年10月に不凍タンパク質研究の第一人者である関西大学河原秀久准教授と共同研究契約を締結し、植物由来不凍タンパク質の研究開発を続けてまいりました。不凍タンパク質は、水が凍ってしまう氷点下の温度域で氷結晶に結合し、その成長を妨げる能力を持つ物質です。

今回開発に成功したクリスタキープ®S-1は、氷結晶の成長や氷の再結晶化を抑制する働きがあります。加工食品などに添加して冷凍保存すると、おいしさや食感の低下を引き起こす冷凍障害を抑制し、冷凍食品の品質をより長く維持することができます。また今まで冷凍保存が困難だった食品の冷凍保存も可能になり、その結果賞味期間の延長や食品の廃棄量低減にも繋がる可能性があります。

 

以 上