ジーンフロンティア。新製品「再構成型無細胞タンパク質合成キット」の販売を開始

遺伝子を反応液に加えるだけで迅速かつ簡便にタンパク質の合成が可能

株式会社カネカ 広報室
2011/07/11
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原 公一)の100%出資子会社であるジーンフロンティア株式会社(本社:千葉県柏市、社長:田邉明紀 以下、GFC社)は、東京大学大学院新領域創成科学研究科の上田卓也教授と共同開発した、試験管内で遺伝子を反応液に加えるだけで迅速かつ簡便にタンパク質の合成が可能な試薬セット「再構成型無細胞タンパク質合成*1キット」(製品名:『PUREfrex』商標登録申請中)を本年7月より販売を開始した。*1遺伝子からタンパク質を合成するために必要な転写・翻訳・エネルギー再生反応に関与する全ての成分を個別に精製した反応液に、合成を目的とするタンパク質の遺伝子を混合し合成する反応系のこと。

『PUREfrex』では、反応液を構成する成分の製造工程で混入してくるタンパク質合成反応を阻害するリボヌクレアーゼ*2やプロテアーゼ*3などの夾雑物の混入量を従来品に比べて減少させており、特にリポ多糖*4の混入量を約1/1000にまで減少させることにより、高純度のタンパク質合成反応系を構築している。また、反応液あたりの合成量も増大しており、高効率なタンパク質合成を実現している。

*2遺伝子を分解する酵素
*3合成したタンパク質を分解する酵素
*4大腸菌由来の不純物。製品の反応液を構成する成分は大腸菌を用いて生産しており、成分の製造時に混入する。合成したタンパク質溶液中に混入するリポ多糖が、タンパク質の機能の解析において悪影響を及ぼす。

GFC社は、バイオ医薬品の開発を行なう製薬企業向けに、『PUREfrex』とリボソームディスプレイ*5を組み合わせた技術も開発した。本技術は、一度に解析可能なタンパク質ライブラリが一千億種類と大きい上に、他の方法では数週間以上かかる検索期間が約1週間で解析が可能であるという特長を持つ。今後は、本技術を活用して製薬企業が求める創薬シーズを探索する創薬支援サービス事業やGFC社が開発した創薬シーズのライセンス供与などの事業を展開し、研究用試薬事業と併せて、5年後にとして10億円の売上高を目指す。

*5試験管内でmRNA(メッセンジャーRNA)-リボソーム-タンパク質から成る三者複合体のライブラリー(非常に多種類の複合体の集団)を形成させて、その中から特定の結合特性をもつ(例えば、癌関連タンパク質に結合する)タンパク質をスクリーニングする技術。

 

以 上

 
●ジーンフロンティア株式会社 概要
社名:ジーンフロンティア株式会社
代表者:代表取締役社長 田邉 明紀
本社所在地:千葉県柏市柏の葉五丁目4番19号
      東大柏ベンチャープラザ308
設立年月日:2010(平成22)年10月13日
資本金:1000万円
株主:(株)カネカ100%出資
主な事業内容:バイオ技術を応用した製品・サービスの提供
       抗体医薬開発及び次世代抗体医薬開発
従業員数:9名
URL:http://www.genefrontier.com