Kaneka Eurogentec社 新型コロナウイルス検査試薬供給開始

—ワクチンの受託製造も拡張—

株式会社カネカ IR・広報部
2020年4月2日

 株式会社カネカ(本社:東京都港区、社長:田中 稔)のグループ会社Kaneka Eurogentec社(本社:ベルギー王国リエージュ州、社長:Lieven Janssens)は、ベルギー政府の要請により新型コロナウイルス検査に使用されるPCR*1検査試薬の生産を強化し、初回分として約20万回分相当のPCR検査試薬をベルギー国内および近隣国の病院、検査機関、研究機関などへ供給をスタートしました。

 ベルギーNamur大学(ナミュール州)は特殊な装置専用試薬を使用しない簡便な検出法の開発に成功し、ベルギー連邦医薬保健製品庁により新型コロナウイルス検査法として承認されました。この検査にKaneka Eurogentec社のPCR検査試薬(TakyonTM)が採用されており、今回のベルギー当局からの供給要請となりました。

 さらにKaneka Eurogentec社は、高品質のmRNA*2やプラスミドDNA*3の世界トップクラスの技術を保有しており、製薬企業やバイオベンチャーが開発を加速している新型コロナウイルスワクチン向けmRNAやプラスミドDNAのGMP*4受託製造を強化し、旺盛な引き合いに対応してまいります。
カネカは新型コロナウイルスに対する課題解決を通じ、世界を健康にしてまいります。

  1. ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction)は、遺伝子(DNAまたはRNA)サンプルから特定の領域を膨大に増幅する技術。感染症の原因であるウイルス遺伝子の検査や、分子生物学的研究に利用されている。
  2. メッセンジャーRNAは、DNAからタンパク質合成の遺伝情報を写しとり伝えるRNA分子。新たなモダリティとしてワクチンや治療薬への応用が期待されている。
  3. 大腸菌などの細菌や酵母の核外に存在し、細胞分裂によって娘細胞へ引き継がれる環状DNA分子の総称。従来からタンパク質などのバイオ医薬の生産プロセスに利用されており、近年では遺伝子医薬やワクチンへ応用されている。
  4. Good Manufacturing Practice、医薬品等の製造管理および品質管理の基準。

【Kaneka Eurogentecの概要】

本社
ベルギー王国リエージュ州
社長
Lieven Janssens
事業内容
医薬・診断薬向けおよび研究試薬向けタンパク質、核酸、ペプチドの製造販売
設立
1985年
資本金
31.0百万ユーロ

PCR検査試薬(Takyon

プラスミドDNAの製造設備