還元型コエンザイムQ10、2016年度日本農芸化学会「農芸化学技術賞」を受賞
―実生産および商品化に向けた技術研究開発―
2016/03/31
公益社団法人日本農芸化学会は、農芸化学分野の基礎および応用研究の進歩を図り、それを通じて科学・技術・文化の発展に寄与し、人類の福祉の向上に資することを目的として、1924年に設立された学会です。今回受賞した「農芸化学技術賞」は、農芸化学分野において注目すべき、かつ、実用的価値がある技術的業績を挙げたものに対して与えられる賞で、当社が本賞を受賞するのは、2006年以来、3度目となります。
コエンザイムQ10は、すべての生物のエネルギー生産に必要不可欠な物質であり、酸化型と還元型の二種類があることが知られています。このうち還元型コエンザイムQ10は直接作用する活性型ですが、空気で容易に酸化してしまうため、商業規模での製造・流通は困難でした。
当社は、還元型コエンザイムQ10の商業生産に取り組み、高純度の還元型コエンザイムQ10の大量生産技術を世界で初めて確立しました。同時に、流通時の酸化防止を図る梱包処方も確立して、市場流通を可能としました。また、生理的作用についても検討を重ね、さまざまな効果を明らかにしています*。
これらのデータをもとに、日本国内で2015年4月より施行された機能性表示食品制度において、既に2品目が受理されています。海外では2006年の米国での上市以来、これまでに350ブランド以上の最終製品が、世界中の消費者に広く愛用されています。また、安全性データも取得・蓄積してきており、米国FDA(食品医薬品局)においてNDI(新規食品成分)としての認可を取得しています。
今回の受賞は、これらの実用化に向けた取り組みが評価されたもので、3月27日(日)に札幌市教育文化会館・大ホールにて授賞式が行われました。
当社は、今後も健康増進、予防医療およびクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の改善に貢献できる成分として、還元型コエンザイムQ10のさらなる認知拡大、市場普及を図ってまいります。
*明らかにされた還元型コエンザイムQ10の生理的作用の例
・末期うっ血性心不全患者における症状改善
・慢性疲労症候群患者の症状改善
・高齢者のQOLの改善
・仕事によるストレスの改善
・スタチン誘発筋痛症の改善
・小児線維筋痛症における慢性疲労症状の改善
・ドライマウスにおける唾液分泌量増加および自覚症状の改善
・アスリートにおけるトレーニング効果の向上
その他、還元型コエンザイムQ10の詳細については、下記サイトをご覧ください。
<健康成分情報サイト「健康カガク・ラボ」>